日本におけるコンテンツホルダーの怠慢

以前書いた地上波にスポーツ中継に未来はあるのか?というエントリが、masserさんとおりたさん(id:toronei)のところに波及したのでも一度自分でも書ききられなかった点から広げていきたいと思います。
masserさんがおっしゃっていた

なにが問題かと言いますと制作側が本当に一般層を取り込もうという意図がぜんぜん感じられないことです。

おりたさんも重ねてこの点から切っていらっしゃいましたが、私はその原因を題字にもあるよう、コンテンツホルダー著作権保持者)の怠慢にあると思います。
ある番組を作成しようとした時、広告代理店とコンテンツホルダーにお金の殆どが行ってしまい、下請けには殆ど残らない状況。著作権さえ持っていれば、寝転んでいてもお金が入ってきてしまう。そりゃ気概にあふれた製作側なんて生まれないのでは?せっかくいた人達もそっぽ向いてしまいます。
就職活動中にソフトオンデマンドの説明会に行き、高橋がなり氏の講演を聞かせて頂きました。氏は「元気が出るTV」で大ヒットを飛ばしたもののお金が入ったのは、日テレとプロデューサーであるテリー伊藤だけで、その他の製作人なんかは死ぬほど忙しいだけで恩恵すらなかったとおっしゃっていました。そこで氏は著作権を持つ事こそが、打開するきっかけだ、その中でどういう手段と方法をもってやろうかと考えた時にAVというコンテンツ、そしてソフトオンデマンドの設立となったそうです。氏はさらに業界を切り続けました。著作権を持つようになり、色々幅を利かせるようになったが、今度は販売側が不当にダンピングしたり、また我々の眼の届かない状況になってしまって、自分達の商品の価値が下がってしまった。との事で自ら流通チャンネルを確立させ、認定問屋と会社にしか出回らないようにしたと。うむむ。すごすぎる。ま、その他にも色々AV的に面白い事をおっしゃっていましたが今回の文とは関係なくなるので、戻します。
これだけ長く書いて何が言いたかったかというと、要はコンテンツホルダーの権力がでかすぎて製作も糞もあったもんじゃないという、最悪な状況に今のメディアはなってしまっていると。また、気概のあるクリエイター達も自分の居場所を求め迷走してしまっているのでは?今現在ではスカパー等の有料放送に落ち着いてるかのようですが、地上波放送とのギャップ・また視聴者の失望に対する状況から全てがカオスと化してもおかしくないのでは?なんて考えてしまいます。
下記でフランスの映画料金についても書きましたが、結局日本でそうならないのはコンテンツホルダーという名の大名があぐらをかいて寝ながらバカンスに行っているくらいの怠慢なわけではないかと。本当に一般層や興味0の人を取り込もうとするなら、フランスでやってるくらいの料金体系(金額は違えどサービスとして)アホでも思いつき、やれるはずです。

昨日の風はどんなのだっけ?http://d.hatena.ne.jp/toronei/20040625#masser
地上波のスポーツ中継はまだマニアでもないけど、興味を持ち始めましたみたいな人に向けて放送するべきで、そういう人達というのは実は一番マニアックな話しを聞きたい、知りたいという背伸びしたい時期だと思うので、やっぱりいまの地上波の放送って食い合わせ良くないと思います。

そうなんですよね。サッカーを例に出すと、せっかく2002年ワールドカップで日本中に浸透して、興味を持ち始めた人っていうのが爆発的に増えたとは私は思っているのですが。そんな中今の中継スタイル、スターシステムにみるような方法をとっているから、あちこちで違和感が叫ばれるんでしょう。おりたさんが言うところの背伸びしたい時期がぴったりなのに、放送側は何にも変わっていないむしろ衛星が入ったこと・シフトにより衰退してしまっているという事に。
って結局製作側が一般層を取り込む気がないという結論にループしてしまいました。
お読みいただいたみなさんどうでしょうか?